平穏が戻った畑に立ち尽くし
2020-08-02

8月に入って、梅雨が明けた。

ようやく畑に帰ってこれた。

草原と化した畑に。

背丈まで迫る勢いの草の海にしゃがみこめば

世の中からすっぽり隠れてしまえる気分……。

守られたような安らぎにひたりながら

守ってくれてる緑の壁をシャクシャク刈る。

あぁ人間てヤツは。

買ったばかりの鎌は切れ味よく

壁が削げてゆくのが小気味よく

達成感がハンパなく爽快で

手が止まらない。

できる時に、できる分だけ。

そう気楽にとらえれば

草刈りは意外に楽しい単純作業♪

これぞ「遊び」の特権w

ひんやりしはじめた大気の中で

遠く近く鳴き交わすヒグラシが日没を知らせ

振り返ればちょうど山の端に陽がかかっている。

あぁあぁ。気持ちいい・・・。

気持ちィ気持ちィ言いながら

潜っていた野菜の株を救出?してゆく。

宿難かぼちゃ大の実を残して燃え尽きたズッキーニを労い

“海”の底で蔓を這わせていたサツマイモのしたたかを褒め

ヨレヨレの体で実をつけつづける南蛮たちを励まし

援護射撃をする気分でシャクシャク、シャクシャク。

花や実をつけた草を刈る手が、チト、、躊躇したり。

野菜たちは果たしてありがたいのだろうか。

草の中に埋もれていたほうが

実は都合よかったりして?

などと思ってみたりもしながら。

刈り残した壁も、救出した野菜も

同じ命として残照に輝いている。

ヒトの都合で勝手に葛藤するも楽し◎

畑は思索の泉だ。哲学の宝庫だ。

ひとまず平穏が戻った畑に立ち尽くして

晴耕雨読の暮らしがしたいと本気で思う。

次は日照りか?

ヒトよりも強いぞ。畑の住人たちは。

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