熟し切った種の風体は、南国の果実そのもの
2017-08-19

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初めて見た時は、なかなかの衝撃だった。

まるで”血”と見紛うような、どろりと濃い赤。
熟し切った種の風体は、南国の果実そのもの。

20年も前。
ニガウリがまだ全国的に出回ってなかった頃、
亜熱帯の島で
ほっといてもジャカスカ生る実のお裾分けを
まかされていた宿の厨房で調理し客に出していた。

それ以来、
「買うものじゃない」と思っていた野菜を
しかたなく買い続けるうち
熟した野菜の種まわりが
壮絶に赤い事実を忘れかけていた。

今。
これを寒冷の地で収穫するに至るとは。
複雑な感慨は拭いようなくも
チャンプルは変わらず、ただただ旨し。

あ、でも、苦味は弱くなったかな?
気のせいか……。

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