Engadiner Nusstorte エンガディナーヌーストルテ2019-05-05
スイス、エンガディナー地方に伝わるクルミのケーキ
Swiss Walnuts Cake
エンガディナー・ヌーストルテとは
スイス東部グラウビュンデン州エンガディン地方の銘菓で、ミュルベタイグと呼ばれる種類の生地にクルミがたっぷりと入った生キャラメルが詰まった200年の伝統を持つ焼き菓子。
名前のエンガディナーは「エンガディン地方の/エンガディン風の」という意味で、トルテTorteは甘いケーキ。ヌースNussは本来ナッツ類全般をまとめて指す単語だが、このお菓子に使われるのはクルミだけだ。しかし、実はクルミはエンガディン地方の特産品ではない。エンガディン地方はスイスの中でもとりわけ寒く、その気候は温暖 を好むクルミの栽培には厳しすぎるからだ。
エンガディン人の「出稼ぎ」という歴史的背景
フランスやイタリアなど外国に出稼ぎに行ったエンガディン地方の菓子職人が滞在先でクルミという新しい素材に出会い、 そこから元々エンガディン地 方にあったフアチャ・グラッサという名前の伝統焼き菓子(バターと小麦粉の比率がほぼ1対1というリッチなバタークッーキー、基本的には日曜日のためのお菓子)の生地にクル ミのフィリングを詰めるアイデアが生まれ、後に菓子職人が帰郷する際に一緒に持ち帰った新しい「輸入素材」が地元の伝統と融合して今日のエンガディナー・ ヌーストルテが誕生したのが200年も前という訳だ。
エンガディナー・ヌーストルテの材料
中身のフィリングは砂糖と生クリームとはちみつとクルミだけ、生地は小麦粉・バター・砂糖・卵と少量の塩のみ。その味は材料から想像される通り、シンプルかつ力強いものだ。エンガディン地方のお菓子屋さんやパン屋さんにはそれぞれのお店に独自の秘伝レシピで焼かれた自慢の一品が並んでいる。基本的にローカルな品物が全国区で有名になることが稀なスイスだが、ヌーストルテを始めとするいくつかの地域銘菓はスーパーマーケットなどでも手軽に購入することができる。
トミィミューズリーでも、ひとつひとつ丁寧に作っています。たっぷりのクルミの香ばしさがとろりとした生キャラメルに引き出されサクサクの生地に包まれたスイス人の好物をお楽しみ下さい。